長引くせきについて
~そのせき、治療できるかもしれません~
長引くせきについて🤧 こんなお悩みはありませんか?
風邪は治ったはずなのに…と思い当たることはありませんか?
- 「風邪が治ったのに、せきだけが続いている」
- 「夜中にせきで目が覚めてしまう」
- 「人前でせきが出てしまい、気まずい思いをする」
もし8週間以上せきが続いているなら、それは単なる風邪ではなく、**「慢性咳嗽(まんせいがいそう)」**という別の病気が隠れているかもしれません 。放っておくと生活の質(QOL)を大きく下げてしまうため、早めの対処が大切です。

⏱️ せきの期間と分類
せきは本来、体を守るための防御反応ですが、長さによって病気の可能性が変わります 。
| 分類 | 期間 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 急性咳嗽 | 3週間未満 | 主に風邪などが原因 |
| 遷延性咳嗽 | 3〜8週間 | 風邪の後の長引くせきなど |
| 慢性咳嗽 | 8週間以上 | 感染症以外の病気が原因のことが多い |
慢性咳嗽の場合、専門的な診断と治療が必要です。
🔍 その原因、実はこんな病気かも?
長引くせきの背景には、以下のような病気が隠れていることがあります 。
ぜん息・せきぜん息
- 夜間や季節の変わり目に悪化しやすいのが特徴。呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と音がすることもあります。
アトピー咳嗽
- のどのかゆみやイガイガ感を伴い、花粉症の季節に悪化しやすいです。
感染後咳嗽
- 風邪や新型コロナ感染後に、せきだけがしつこく残る状態です。
胃食道逆流症(GERD)
- 食後や横になるとせきが出ます。胸やけや、のどの奥に鼻水が垂れる感じ(後鼻漏)を伴うことも。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
- 喫煙歴があり、たんが多く、動くと息切れがする場合に疑われます。
副鼻腔気管支症候群(SBS)
- 慢性副鼻腔炎(ちくのう症)が関与しています。
📉 生活への影響は深刻です
「たかがせき」と我慢していませんか? 慢性咳嗽は日常生活に様々な支障をきたします。
- 会話や食事がしづらくなる
- 夜、眠れなくなる
- 通勤や運転中に不安を感じる
- 仕事や勉強に集中できない
- 尿もれ(特に女性に多く、患者さんの約6割が悩んでいるというデータもあります)
💡 なかなか治らない「難治性」の場合
原因が特定できない、あるいは治療しても良くならない場合は、**「咳過敏症候群」**の可能性があります。
これは、のどの感覚が過敏になり、わずかな刺激でせきが出てしまう状態です。
⚠️ よくある引き金(トリガー)
- 冷気
- 香水や柔軟剤の香り
- たばこの煙
- 会話 など
🏥 検査と治療について
当院では、長引くせきの原因を見極めるために以下の検査を行います。
【主な検査】
- 胸部X線・CT検査
- 呼吸機能検査・呼気NO検査
- 血液検査(アレルギー体質などを調べます)
【治療法】
原因に合わせて、最適なお薬を処方します。
- 吸入ステロイド薬
- 気管支拡張薬
- 抗アレルギー薬
- 去痰薬 など
※原因不明や治療が難しい場合でも、新しいお薬(P2X3受容体拮抗薬など)や生活習慣の見直しで改善を目指します。

🍀 まずは医師にご相談ください
長引くせきは、放っておくと悪化してしまうこともあります。
「いつ出るのか」「何に困っているのか」「どうなりたいか」を医師に共有することが、改善への第一歩です。
あなたが**「せきのない日常」**を取り戻せるよう、早めの受診をおすすめします。